だれかさんのブログ

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CMP 30HXはいくらまでなら原価回収できるか?

GPUマイニングにおいて、最近はCMPシリーズが出てきているので、CMP 30HXが原価回収できそうかどうかについて考える。

 

 

まず、CMP30HXの基本性能から見ていこう。

 

videocardz.com

www.nvidia.com

 

これら上記2つのリンクをたどってみればわかるが、CMP 30HXとGTX 1660 Superはほとんど同じ製品であることがわかる。たどるのが面倒な人のためにこちらに画像を載せているので参考にされたい。

 

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GTX 1660 Superの性能

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CMP 30HXの性能

 

これらを見比べると、CUDAコア数やクロック数、ビデオメモリとその種類、メモリ速度、メモリインターフェース幅が全く同一であることが分かり、ほぼ確実に、「同じ製品の型番違い」とみて良いだろう。

違いがあるとすれば、CMPシリーズは映像出力がないことで、これは、マイニングにおいては映像出力は必要ない。
映像出力のある通常のGTX 1660 Superを使う場合、偽の画面出力を付けたりしてあえて映像出力させないと上手く動かないことがあったりする。

GTX 1660 Superにマイニング制限がかけられたロットの話は聞いたことがないので、おそらくGTX 1660 Superでもほとんど同じ性能になると考えてよいだろう。

なので、マイニング的なパフォーマンスはほとんど同じと考えてよい。

 

 

次に、GTX 1660 Superと、CMP 30HXの価格について検討してみよう。

代理店やメーカーから直接買った場合はもうちょっと安いかもしれないが、消費者の手に入る価格しか出てこないので、その価格で検討する。

kakaku.com

 

2021年5月11日現在、価格.comでGTX 1660 Superの価格を確認すると、以下のようである。

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価格.comでの価格

 

大体6万円~6万5千円前後である。

 

次に、CMP 30HXの価格について確認していきたいのだが、日本では取り扱いがないので、海外のニュースなどから価格を推定する。

jisaku.com

gazlog.com

gigazine.net

 

上記3つのページを確認すると、大体8万円~9万円ということが分かった。

CMP 30HXはGTX 1660 Superより少し高いということがこれよりわかったと思う。

 

 

次に、原価回収ができるかどうか考える。

・・・ためにまず利益を計算する。

細かい計算なので下記は少し読み飛ばしてよい:

Ethereumにおいては、難易度というのは、その回数分だけハッシュを生成すれば新しいブロックが作れるだろうという数字である。(BTCやBTC系コインにおいての難易度は、Ethereumとは計算方法が違うし、収益性計算方法も違う。また、当然、違うハッシュアルゴリズムのコイン同士で難易度を比較することは意味がないので注意しよう。)

実際のEthereumでの1秒あたりの収益性は、ハッシュレートはH/s、ブロック報酬はEthereumのブロック報酬、価格はEthereumの価格、難易度はEthereumの難易度であるとして、

(ハッシュレート) x (ブロック報酬) x (価格) / (難易度)    [ 円/秒 ]

である。

 

ただ、実際のところは、ハッシュレートはMH/sで表記されているので、MH/sに直し、難易度もTH単位なのでTH単位に直し、1秒当たりの収益性を考えることは通常ないので、秒から日に直すには60 x 60 x 24を掛ける必要があるので、1日当たりの収益性を考えると、

(MH/sハッシュレート) x 10^6 x (ブロック報酬) x (価格) x 60 x 60 x 24 / (TH難易度) x 10^12     [ 円/日 ]

となる。

また、ここから電気代を引いたり、保守費用がある場合、

{ ( 1- (保守費用等) ) x (MH/sハッシュレート) x 10^6 x (ブロック報酬) x (価格) x 60 x 60 x 24 / (TH難易度) x 10^12 } - (電気代)     [ 円/日 ]

となる。

 

また、電気代はkWh単位での契約ならば、GPU1枚当たりのみの消費電力は1日、

0.1 x 24 = 2.4kWh・・・となるように見えるが、実際のところ、CPUやメモリやHDD(SSD?)の消費電力や、また、電源ユニットの変換効率の問題があるので、実際にはもう少し多いかもしれない。

 

要するに:

要するに、CMP 30 HXはハッシュレート27MH/sとし、消費電力は定格で125Wだが、実際のところ100W前後で動かせるとのことなので100Wとする・・・が、"おぼろげながら浮かんできたので"1日当たりの電気代支出は28円としておく。Ethereumブロック報酬は3ETHとしておき、1ETH価格は42万円ちょうどとする。これまた"くっきりとした姿が見えているわけではないけど"保守費用率が25%とられた場合を考えると、5月10日時点では、

0.75倍 x 27MH/s x 10^6 x 3ETH x 420000円 x 60秒 x 60分 x 24時間 / 7631TH x 10^12 - 28円 なので・・・1日の利益は261円となる。

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計算

 

 

仮にブロック報酬が3.5ETHの場合は1日の利益は309円になる。

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ブロック報酬3.5ETHの時

 

仮にブロック報酬が4ETHの場合は1日の利益は357円になる。

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ブロック報酬4ETHの時

 

試しに、収益性計算サイトのWhattomineで計算してみた結果、大体似たような結果になった。ここでは難易度もブロック報酬も7日平均で出している。

whattomine.com

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Profitが大体$3になり、私がした利益の計算に近いような結果になっていることがわかると思う。

 

ブロック報酬は3ETH~4ETHの間だろうし、1日300円前後の利益が出るとして、原価9万なら300日で回収できて、原価25万なら833日(27か月)で回収できるな!よし!・・・・

 

なわけない。

これは瞬間値である。価格は無視するしかないとはいえ、今後難易度が上がらない保証があるのか?今後EIP-1599が来るが、その影響を無視した計算をしていいのか?だめだろう。

 

長期的な収益を考える。

Ethereumのマイニングが終了することは考慮に入れないが、EIP-1599の影響があるものとして、ブロック報酬は途中から2.5ETHになること、および難易度が採掘中に上昇していくことを考える。価格は変動しないものとする。

 

難易度は、Ehtereumのブロックエクスプローラーから取得可能である。

https://etherscan.io/chart/difficulty

気になる方はCSVデータをダウンロードして確認してほしい。

 

2021年5月1日~2021年5月10日の難易度のグラフは以下のようになる。

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難易度グラフ

 

また、毎月の初日のデータのみを取ると以下になる。

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毎月初日のデータ

 

これより、大体月に1.10倍で増えていくことがわかる。最近は特に難易度上昇が大きいが、価格上昇も大きいのが原因であると考えられる。

 

さて、それでは真の収益性を確認しよう。

データは、ハッシュレートは27MH/s、1ETH価格は42万円として計算している。その他の数値は表に入っている。また、簡易にするため、1か月30日として計算している。

 1か月で難易度が1.1倍になる場合は以下のようになる:

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1か月で難易度が1.1倍に増える場合

 実際にはその月中難易度がずっと変わらないということはないが、徐々に上がったとしても、近い数字になると考えている。しかし、実際はここまで難易度が上がる場合は、価格もまた一気に上がり続けてる場合が多いので・・・、あまりこの難易度上昇比率はアテにならないかもしれない。

 

 

 1か月で難易度が1.05倍になる場合は以下のようになる:

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1か月で難易度が1.05倍に増える場合

価格変動なしの場合はもうちょっと難易度上昇スピードは遅いかもしれないが、一応これを基準にしておけば、損することはなさそうなシナリオである。

これなら一応1枚9万で買っても2割くらい増えて終わる計算である。

1枚20万円は・・・無理かも・・・・

尚、RTX 3080やCMP 90HXの場合は原価35万近くまでならこのシナリオでもなんとか回収は可能である。単純にハッシュレートが3倍くらいなので・・・ただ、現況だと一応1枚30万円以下くらいなら買いくらいで考えておいた方が良いだろう。

 

 

もう少し楽観的なシナリオとして、1か月で難易度が1.02倍に増える場合も想定してみると:

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1か月で難易度が1.02倍に増える場合

3年前後で18万円になる。楽観的なシナリオなので、これより良くなることはあまり望めない。

・・・・やはり1枚18万を超える場合は回収できないのでは・・・?

では少しマージンを取って16万で買ったら大丈夫か?実はそういうわけでもない。

 

 

 

 

 

・・・・本当に3年以上動かせるのか?

実は、大事な観点をわざと忘れて計算している。

EthereumのPoWが終わらなくともマイニングを終了せざるを得なくなるイベントが1つある、それはDAGサイズの上昇である。

Ethereumでは、ASIC耐性のためでもあるが、わざとマイニングに必要なVRAM量が増えるようにアルゴリズムが設計されている。VRAM4GBのGPUでは、Windowsなら2019年の10月あたりから、Linux系OSを使っている場合でも去年にはEthereumが掘れなくなっているはずだ。(Zombie modeといって、少しVRAMが足りなくても無理やり掘る方法もあったが・・・それでも今はだいぶ厳しくなってしまっているはずだ)

 

DAGサイズの上昇スケジュールに関しては以下を参照すると良い:

minerstat.com

 

が、例によって、面倒な人のためにここにもスクショを貼ってある。

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DAGサイズのスケジュール

 

これによると、Ethereumの現在のDAGサイズは4.227GB、VRAMが5GB以上なら掘れる計算である。とはいえ、Windowsだと、システムにVRAMを取られるので掘れなくなっている可能性はある。さて、本題の6GBの場合を見ると、2024年1月には採掘不能になるようである。

・・・あれ?

 

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2024年以降掘れない


・・・ただ、Ethereum以外にもコインはあり、それらのコインを掘った場合に利益が出る場合もある。

一応は、この相場状況では、OctopusというアルゴリズムのConfluxというコインを掘った場合などは、1日200円~300円の収入を生むことはできる。ただし、Ethereumだけ掘り続けるというのは無理だろう。

 

自分で運用すればいいのか?

自分で運用した場合、日本の家庭用電力では大体1kWhにつき25円かかる。倍くらいの電気代になるので、今は良いが、価格が下がったらどうにもならなくなる。
また、置く場所の問題もあるし、今は良いが儲からなくなった時にどうしようということを考えていないと終わってしまう。

また、冷却を考えないとGPUは"早死に"する。常に70℃以下の温度を保つようにしたいが、果たして今あなたがいる建物はそこまでの冷却ができているか?クーラーだけでなんとかしようとしてないか?クーラーも冷却には限界がある。夏に酷使させてないか?結局保守費用というのは、土地代や場所代やメンテナンス代だけでなく、空調・冷却代なども含んでいるので、長い目で見れば、故障率などを考えれば、どっちがいいのかはわからない。良い環境でのマイニングができることを考えると、保守費用を払ってでも別の場所でマイニングしたほうが良い場合も多々あると考えている。

その点に関して、保守費用率が25%の業者があったとしても、それが必ずしも取りすぎとは言えないと考えている・・・・もちろんそこの冷却がしっかりしていれば、だが。

 

結局CMPシリーズは"買い"なのか?

CMPシリーズは画面出力がないと最初に説明したが、これは中古販売の際に不利になる要因である。これを考慮すると、安く売ってくれる業者ならともかく、20万以上出して買うようなものではない。

一応、マザーボードやCPUやメモリやフレーム、ファンなどの費用や、もしくは購入の手数料などを考えると、2~3割の手数料があるくらいはわかる。ただ、1000枚以上の大口などで購入している場合はそもそも安く仕入れているだろうから、CMP 30HXのマイニングを誰かに委託するような形式で買うならば、手数料を考慮してもせいぜい1枚12~13万円くらいまでにしてほしいところである。

いや自分だったら10万以下じゃないと買いたくないけど・・・・

マイニングの始め方

この記事はリクエストにより作成しました。
記事のリクエストは、基幹的なものや技術的なものを解説するのはやったりやらなかったりしますので、Discordサーバーでお気軽に(?)ご相談ください
また、マイニングに関する相談も(場合によっては有料で)お受けします

 

discord.gg

 

まず、マイニングがどのようなものかわかってないと意味がないかもしれないので、マイニングについて全くわからない方はまずこちらを読むことをお勧めします。

 

darekasann-zzz.hatenablog.com

 

マイニングを始めるにあたり

マイニングというのはPoWコインでは必ず行われる作業である。マイニングは、確かに機械に特定の計算をさせて報酬を受け取ることだが、実際のところ、マイニングというのは何かしらの利益のために行うことが多い。

特に電気代が安い場所では純粋にマイニング事業で儲けるために掘られることが多い、日本では電気代が高いためあまりマイニングが行われないと思われがちかもしれないが、節税のためのマイニングが行われていることもあり、意外と日本でもマイニングというのは行われている。

ただ、どちらにせよ、やはり同じ費用を払って機材を購入しているわけなので、いかにその環境で効率よく採掘を行うかが大事となってくる。

マイニングそのものを学習するのであればマイニングに関するプロトコルさえわかればいいが、マイナーがどう動くか?を考えるには実際に収益目的マイニングを試してみるのが良いだろう。それではマイニングをするにあたりどのような手順を踏むか解説していこう。

尚、筆者は本業の一部としてこのようなマイニングのサポートも行っている。もし大規模に行う予定がある方がいる場合はご相談いただけると幸い。

 

1.機材を用意する

まず、マイニングを始めるには、マイニングする機械そのものが存在しないといけない。ただし、適当に買ってはいけない。掘りたいコインに合わせて機材を選択する必要があり、例えばGPUでBTCを掘ることは事実上不可能である。BTCを掘りたいのならBTC用のASICを用意する必要があり、LTC用のASICを用意しても意味がない。このように、正しい機材を購入する必要がある。

ただし、単純に、プールからどのように仕事を受け取り、どのように仕事の成果を提出するかなどの学習用のマイニングなら普通のPCのCPUでも問題ないかもしれないが・・・

収益性を考えた動きがどのようなものかを学ぶには、多分、GPUマイニングアルゴリズムのコインを掘るならばGPU、ASICマイニングアルゴリズムのコインを掘るならばASICといった具合に、それ用の機材があったほうが良いのかもしれない。

ただ、マイニングをやったことがない人がいきなりASICを買うのはお勧めできず、マイニング以外にも使い道の多いGPUでのマイニングのほうが初心者にも簡単なのかもしれない。また、良くも悪くもGPUはいろんなアルゴリズムのコインが掘れる。

 

2.マイニングするコインや、マイニングプールを選択する

自分に掘りたいコインがあるならそのコインを掘ればいい、
特にこだわりがないならNicehashで掘るなどで自動的に最も儲かるコインを掘ってくれるのでそうしたほうが収益性が高い場合も多い。

マイニングプールによっては登録が必要だったりそうじゃなかったりするが、どちらにせよ、どういうルートで日本円にするか?までは考えておこう。
例えば、BEAMを掘る場合だったら、どこのプールで掘るか、プールからどの取引所でBTCに換金するか、どの"日本の取引所"でBTCから日本円に変換するかまでは考えておこう。
(ただし、BTCやETHやMONAなど一部の通貨は日本円に直接交換可能なのでルートが楽にできる)

また、取引所で日本円に変換可能なルートがない場合でも、BTCをVPSサーバー代に使うことなどができることがある。大規模でない場合、このように用途があるならば日本円の出口は必ずしも必要ないかもしれない。

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プールでの報酬から銀行口座まで
 
3.マイニングソフトウェアを導入し、設定する

まず、GPUマイニングなら掘りたいアルゴリズムに対応したマイニングソフトウェアを導入する必要がある。例えばEthereumならEthminerやClaymore、BeamならlolminerやGminerといった具合である。また、NVIDIAGPUAMDGPUで違うマイニングソフトウェアが必要な場合もある。

プールに接続するための設定情報はほとんどの場合、プールが提供している。
通常必要なのは次の3つである:
接続先とポート
ユーザー名
アルゴリズム

パスワードは、実のところ必要ないことが多い、もしくはマイニングプールに特別な処理の要請のためにパスワード欄を使用していることもある。

 

例えば、ethminerの場合は以下のようなコマンドを入れる必要がある。
ethminer.exe -P stratum+tcp://0x0cBE8Fd1f1DBb09508f38020ede7174b1D70fc09@asia1.ethermine.org:4444

"stratum+tcp://"は、どのような接続方式かを書いている。
0x0cBE8Fd1f1DBb09508f38020ede7174b1D70fc09はユーザー名であるが、ここではEthereumのアドレスである。これはプールからの報酬を受け取るために入れている。
プールによってはこれはBTCアドレスだったり、はたまたプールの指定するユーザー名を入れる必要があるがこれはプールによって異なる。
"asia1.ethermine.org:4444"は接続先とポート番号である。

ここではEthereum専用のマイニングソフトウェアを使っているからアルゴリズム名を書くことなく済んでいる。
複数のアルゴリズムに対応しているマイニングソフトウェアなどでは、-a lyra2rev2や、-a quark等のコマンドを入れてアルゴリズム名を指定してやる必要もあるが、ここらへんはマイニングソフトウェアによって異なる。

ASICの場合は、ブラウザにIPアドレスを入力することでウェブコンソールなどに入って、ここで、接続先やユーザー名やパスワードを入力することになるだろう。

この点に関してはやることは実はASICでもGPUでもあまり変わらない。

 

4.マイニングが正しく行われているか確認する

設定してもその設定が間違っていたり、はたまたそもそも機械が故障していたりして正しい結果をサーバーに送ることができなかったら意味がない。ちゃんとログを見よう。

例えば、"Stratum authentication failed"と表示されている場合は正しいパラメータを入力できていなかったり、"Rejected"などと表示されている場合は、何かしらシェアが不正なものとして扱われているのでは?など、エラーメッセージみたいなものが表示されている場合はそれをよく読もう、検索すれば出てくる場合も多い。

ただ、実際のところ、上手くいかない場合に、どこがおかしいかというのは勘に頼る部分も多い。経験は大事である。

 

5.報酬を確認し、受け取る

プールは数秒~数分に1回、情報を更新しているので、正しい結果ならば報酬が増えていくはずである。ちゃんと確認しよう。
また、プールによって報酬を払いだしてくれるサイクルが異なる。1時間に1回の払い出しから1日1回の払い出しのペースのところが多い。

もしくは手動出金のプールもある。この場合は自分で出金しよう。

無事報酬を受け取れるのが確認出来たら、そこでようやくマイニングは正しく行われていると考えてよいだろう。

初心者に贈る、"マイニング"って何?

そもそもこのブログはマイニングに関する情報をメインとして作ってあるのだが、
そもそもマイニングの説明を忘れていたので・・・

 

そもそもマイニングとは何か?

マイニングとは、マイニングをするための機械を用いて、機械に特定の計算問題を解かせることである。
この計算問題は一定の基準で合格が設けられており、合格すると報酬がもらえる。とりあえずそのような理解で良いだろう。

 

何のためにマイニングをするのか?

報酬がもらえるからである。BTCの問題を1つ合格すると、6.25BTCと手数料報酬がもらえる。この報酬を貰って換金して儲けるべく、マイニングを行っていることが多い。

 

個人でマイニングはできるのか?

できる。ただし、ブロックを掘れるか(合格基準を満たせるか)は別問題である。
2020/11/18現在、多くのコインでは個人でブロックを掘りあてることは恐ろしく難しいものとなったというのもあり、そもそも数年前から"プールマイニング"をすることがほとんどである。

また、個人ではなく、団体でマイニングをするような場合もある。大規模な業者はそのようにしている。

 

プールマイニングとは何か?

個人ではブロックを掘りあてるのが恐ろしく難しいので、みんなの成果をまとめて、貢献度ごとに分配するような仕組みである。また、このシステムを運営しているのが"マイニングプール"である。マイニングプールは運営などのためにプール手数料として、マイナーから、多くの場合1~5%程度の報酬をとる。

 

マイニングプールはどのようなものがあるか?

BTCのプールだとAntpool、Poolin、F2Pool、BTC.comなどがある。
それ以外にもStratumの生みの親、Slush poolや、取引所が運営するBinance poolもある。

プールによっていろいろ特徴があり、手数料や報酬分配方式などが違う。

 

マイニング機材はどのようなものがあるのか?

BTCをCPUやGPUで掘っていた時代は数年前に終わり、2013年前後から、BTCを掘るための専用の機械、ASICで掘るようになった。
2020/11/18現在では、BitmainのAntminer S19やMicroBTのWhatsminer M31Sなどの製品がある。

ただ、GPUマイニングはBTC以外のコインで使われていることがある。たとえばEthereumや、GRIN、BeamなどはGPUで掘ることが多いコインである。

 

マイニングは儲かるのか?

チューニングや機材選択、電気代、プール選択や掘るコインの選択によってある程度変わってくる。日本でも工夫をすれば儲からないことはないが、やはり電気代が安い海外でのマイニングが主流である。

ただし、日本では節税としてのマイニングは行われることが多く、また、これだけは実際に機材を保有する必要がある。

 

尚、マイニングに興味があったり、もしくはマイニング関連の話を聞きたい方は、筆者のDiscordサーバーにお越しいただければ幸い。

discord.gg

 

ちょっとこれは難しいので、読みたい人のみが読めばよい
"合格"って何?

BTCに限らず、ほとんどのPoW通貨では、計算の結果の値が"ランダムで出る"とされている。ランダムな数字の中で、一定の数字より小さいものが出たら合格とするのである。
例えば、6面のサイコロを振って、すべての数字が出る確率は平等で、かつランダムとされている。ただ、3以下の数字が出る確率は半分だし、1が出る確率は1/6である。
20面体サイコロだとすると、5以下の数字が出る確率は1/4だし、2以下の数字が出る確率は1/10である。

BTC系のコイン(多くの暗号通貨)の場合は、2^256面のめちゃくちゃケタが多いサイコロである。*1

また、この"合格"を定めているのがBitsである。ただ、Bitsというのは人間にはわかりづらい値なので、"難易度"という、人間にわかりやすい値が存在し、ほとんどの場合こっちをみんなは見る。*2

 

マイニングプールの報酬分配方式とは?

マイニングプールの報酬分配方式には、たとえば、実際にブロックが掘れたかどうかに関わらず、このくらいの貢献度ならば理論上このくらい掘れただろうという成果に対し払ってしまう、PPSという分配方式や、ブロックを掘った瞬間からその少し前までに掘っていたマイナーに分配する、PPLNSという方式等、いろいろな分配方式がある。プールは自身の報酬分配方式について説明していることがあるので、これを確認するのも良いだろう。

*1:理論上、16進法で
0000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000~FFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFF
までの数字をとる。

*2:プールソフトウェアを作る人や、ウォレットを作る人は別

BTCの"マイナーの売り"と"損益分岐点"に関して


マイナーには現金が必要で、そのために採掘したBTCを売ることは日常茶飯事である。
ただし、当たり前のことを言うが、マイナーも高く売りたい、当然ながら手元に多く現金が残ればうれしいことである。

 

マイニングによる新規発行について

1日の、マイニングによる新規発行は(1日に掘られたブロック数)*(ブロック報酬)、これに、これは新規発行ではないが、手数料報酬が加わる。
ただし、先日の記事でも書いた通り、ほとんどのマイナーは自身でBTCのブロックを掘れる確率が恐ろしく低いので、プールでマイニングし、プールがブロック採掘の名義人となるので、プールが一時的にマイニング報酬を預かることになっている。
実際に払い出されるのはプールのシステムによっても異なるが、1日1回だったり、もしくは数時間に1回だったりする、P2PoolだとcoinbaseTX自体を分割しているので、掘られたブロックの時点で送金が行われている(ただし、BTCのプロトコル上、新規生成コインは移動するまでに101承認(自身による承認を除くと100)が必要である)
なので、実際に掘られた時と売られるときの時間差はあるのと、プール手数料を考慮しなければならない、プール手数料は大体1~5%前後であり、大体3%くらいと見積もると良いかもしれない(実際には時間差についてはプールの報酬分配方式や報酬払い出しタイミングによってもいろいろ違うが、細かい違いは割愛)

 

実際にどのくらい売られるのか?

なんだかんだあって手数料込で1日1000BTCが売られたとするが、ではBTCの取引量は一日いくらだ?という問題がある。
なので、取引所の法定通貨との現物取引量を見てみることとする。(現物じゃないとマイナーはBTCを売れない)

www.coingecko.com


一応、USDT等を法定通貨とするかは議論の余地のあるところかもしれないが、これを除いたとしても、2020/11/18現在では1日10万BTC以上が取引されており、マイニングによる1日の産出量は1000BTC前後であることを考慮すると、これによる影響は1%以下と言える。
また、さらに、マイナーは世界中にたくさん存在する。数万~数十万のマイナー(個人・団体)が存在するだろう。そのため、当然のことながら、1マイナーあたりの市場への影響力はとても小さいと考えられる。

 

マイナーはいつ売るか?

また、一人一人、どのプールを使っているか?いつ払い出されるか?いつ電気代の請求が来るか?などいろいろシステムが違う。
どこの取引所を使うかも違うし、そのマイナーはどういう売却スタイルをとるかも違う。(月に1回売却するのか、週に1回売却するのか、毎日売却する熱心な人なのか、信用売りしておいて現物持ってくるとか、先物でヘッジするとか)
ただし、確かに上記のように選択肢はいろいろあるものの、先物でヘッジすればいいじゃんっていうのはトレーダーの考え方では?といったところである。
規模によってはそこまでの手間に見合うのか?という問題が出てくる。

大規模な団体のマイナーだったら専属でトレーダー等を雇ったりもできるかもしれないし、それが最善かもしれないが、100台単位とかの個人レベルのマイナーは、そんなことをしているよりは機材のチューニングでもしてたほうが金になることは多いだろう、また、メンテナンス等でそこまでトレードに時間を割けないという問題もある。
このような場合は3%相場で多く儲けるより、情報収集したりチューニングしたりして5%のパフォーマンス向上を狙ったほうが良いことも多い。

要するに、マイナーなんて沢山いるしその人の最善の動きというのは違うので"マイナーの売り"なんて気にしても仕方ないのである。

 

損益分岐点について

損益分岐点?そんなものあるかもしれないが、それはマイナーが自身の環境において気にすべきことであってトレーダーが気にすることではないと考える。
また、その"損益分岐点"は単純に電気代しか考慮してはないだろうか?他の要素も考えただろうか?
マイニングの費用は電気代だけではなく、周辺機器代、メンテナンス機材代、人件費、固定資産税・土地代・建物代(か家賃)、実質的な費用として不良率、それ以外にも大きい要因ではないが個体差など、いろいろな要素がある。
これを考慮しないで損益分岐点の話をしても仕方のないことである、なので、私は、本当にわかっていないのなら"わからない要素はわからない"ものとして扱っておくべきと考えている。自戒を込めて書くと、トレーダーだろうとマイナーだろうと、自身のためにより良い判断をするべきであり、下手にわかった気になって誤った判断をするよりは、わからないものはわからないものとして動いたほうができると考えている。

Nicehashで有り金全部溶かした人

Nicehash全額復活記念記事です

www.nicehash.com


ようやく私はこれで、Nicehashで有り金全部溶かす人から、Nicehashで有り金全部溶かした人になりました!
ありがとうNicehash!そしてこれからもよろしく!

BCHNとBCHAの分裂に関する考え

まず、本題に入る前に、次の"マイナー"と"プール"の違いを理解しておく必要がある。

"マイナー"と"プール"の違いについて

マイナーは、実際に機材を保有するなどでハッシュレートをプールに送り込むことができる存在(個人や会社)であり、
プールは、マイナーからのハッシュレートを受け入れ、ブロックの生成の名義人となる存在である。

そもそもマイナーがプールを利用することは、よほど大規模でない限り一つの団体でBTCやBCHのブロックを掘ることができなくなった現状一般的なことであり、むしろそうしない存在のほうが非常に特殊である、そのため大部分のネットワークのハッシュレートは、このような、プールで掘るマイナーによるものであるとみてよいだろう。

また、だいぶ昔のSegwitの投票の時もそうだが、ブロック生成の名義人に投票権がある以上、そのようなマイニングによる投票の権利はブロック生成の名義人たるプールにあり、今回の件もその例外ではない。

 

それでは本題に移ろう。

先日、BCHはBCHAとBCHNに分裂した。この時に、"マイナーが"BCHNを支持したかのような言説があったが、私としては、実際に機材保有者がBCHNを支持したのか?と言われるとそれは違うだろうと考える。

マイナー自身は、信念を持った人間もいなくはないだろうが、多くの場合は儲かれば何でもよいので、BTCやBCHを勝手に切り替えて掘ってくれるようなプール(ViaBTCやAntpool等が提供しているので全く珍しくない)で掘ったり、もしくはそもそも投票のことなんか知らないけどBCHを掘っていたり、そのような人はよくいることであり、全く珍しくない。

開発者への手数料を義務付けるとは言っても、収益性計算的には実質的にその手数料分だけ収益性を差し引いて考えるだけで、特段特別なことはなく、収益性を求めて掘るコインを自動的に変えるようなプールで掘っている人間がBCHを掘ったり掘らなかったりする以外特にない。
開発者への手数料があるコインというのは別段珍しいことではなく、有名なもので言うとZcashがそうである。創始者や開発者ではなく最初に投資をした人間に分配するようなものもあるが、これも多くの場合仕組みは同じである。

また、当然のことながら、BTCの収益性のほうが高くなったらBCHがあまり掘られなくなるが、BCHの難易度は1ブロックごとに変わるので、BCHの難易度が下がることによって収益性が高まり、BCHの収益性のほうが高くなったら、BCHが早く掘られ、BCHの難易度が上がることによって収益性が低くなる。BTCが難易度調整が遅いというのは少し特殊ではあるが、BTC系統のSHA-256d以外の多くのアルゴリズムでもこれは当たり前に起きていることである。

そもそもBCHの投票に賛成・反対をし、何かしら不利益が生じたとしても、先述の通り収益性のベースはBTCが握っている以上、BCHの規模が大きくなっても結局同アルゴの他コインからBCHにハッシュレートが流れ込み、逆に規模が小さくなったらBTCを掘ればよいということになり、長期的な収益性の変動はBTCがほとんどを握っているので、今回の分裂の影響はほとんどない。なので積極的にマイナーが支持・不支持を表明する動機は信念以外あまりなさそうである。というより、そもそも、結局分裂前に掘っていたプールと、分裂後に掘っていたプールがほとんど同じで、分裂後にBCHAはほとんど掘られていないようである。

 

どのような人間が支持・不支持をする動機があるのか?

マイナー自身に支持・不支持を表明する動機がほとんどない以上、では、どのような人間がコインの支持・不支持をする動機があるのか?

先ほど、プールがコインの支持・不支持を表明できる名義人であるという説明をした。そう、プールにはコインの主導権を握っておいたほうが良い理由がいくつかある。

事業を長く続けるにあたり、プールというのは、マイナーからの手数料によって運営している存在であるので、よりマイニングをみんながするようなコインを作ることでそれが行われやすいという理由がある。

また、それ以外にも、実質的にこの分裂騒動をどちらに導くかを決められる立場にある。仮想通貨はインサイダー取引は規制されていないことなどを考えると、これらによって儲けることも通常の人よりもずっと楽だろう。

 

ただ、もちろん、プールも営利企業であるので、状況が変われば儲かるほうを選択する。前にBCHとBSVとに分裂した際、当初BCH支持だったプールが後からBSVも掘れるようになったり、逆に、当初BSV支持だったプールが後からBCHが掘れるようになったりする。よくあることである。
結局そんなものである。

結局そんなものなので、この記事を読んだ皆さんは、今後そのようなことが再び起こった時、どの企業も自己に有利に動こうとしているんだなくらいに思っておけばよいのではないかと考える。

難易度(先物)に関する最近書いた雑記(2020/10/06)

実際には、Discordに書いたものを元に、
少し修正したり付け足したりしています

 

10/01

一応、BitmainのASICは10/1~10/31に出荷されるらしく、いつマイナーがこれらの機器を受け取り、設定を完了させるかにもよるのかなと
ASICは、基本的にバッチといって、メーカーは1~数ヵ月に1回、一度に出荷することが多いですので
だから割と急にハッシュレートが上がったりすることもある
SHA-256dアルゴリズムのASICは、BitmainとWhatsminerが大手ですねぇ、この2社がでかい、その他もいくつか出ているには出ているんだけど、やはり技術力の差か、あまり有名ではないし、また、ワットパフォーマンスにも劣る傾向にあるというのもある、代わりにその分初期費用は安い、特に電気代が安い地域での使用が多いのかなぁ

www.innosilicon.com

canaan.io

 

strongutech.com

 


GPUでは掘れないです
ただ、先日もお話しした通り、Bitmainの新型ASICの初期ロットはコケたらしいです、今度はちゃんと作ってるのかねぇ

coinpost.jp


とにかく、WhatsMinerとBitmainの争いというのは結構熾烈なものであり、1Tハッシュ(10^12ハッシュ)を生成するのに、WhatsMinerM30Sは36W、BitmainS19Proは29.5W(いずれも公称値)という、なかなか互角な戦いを繰り広げていますね

whatsminer.net

shop.bitmain.com


まぁ、そもそもWhatsminerという会社はBitmainから技術者が一部独立して作った会社なんで、ある程度技術力が近くなるのは当然かもしれないけどねぇ
ってなんだこれは・・・もう難易度先物関係なくなった!!!!!

 

 

10/06

 

BTC価格とマイニングの考え方

"変な話、BTCの価格が受けいれられる電気代に比例しているというか、そういうイメージです
難易度が上がると電気代の占める割合が増えます"
の解説でもある

 

 

同じハッシュレートで少ないBTCしか掘れないから、1BTCを掘るのにより多くのハッシュを生成する必要がある、つまりそれだけ電力が必要になり、電気代が増える
ただし、価格が上がれば電気代が増えようと利益が減ることはない、だからハッシュレートが減ることはない
といった感じかなぁ
ハッシュレートが減らなきゃ難易度は減らない、難易度というのは14日平均ハッシュレートとほぼ同一と考えて良いからね
厳密には長く存在する(とはいえほぼ無害な)バグにより、難易度調整直後の1ブロックだけちょっと計算がおかしいらしいけどね(これは正直最近知った)、でもまぁこれはほぼ無視して良い

f:id:darekasann_zzz:20201006143447p:plain

github.com



このバグ、何故長く残ってるのに修正されないのかというと、難易度に関する変更はハードフォークになってしまうから、ほぼ無害な以上やることによる混乱のほうが大きいと、BTCの開発者たちは考えているのでは?と思っている
当然ながら、難易度の算出方法が違う場合、お互いの難易度算出方法を間違ったものだと、BTCのフルノードは考えることになり、当然それはハードフォークすることになる
・・・・また難易度先物関係なくなった!!!!!
まぁとにかく、メリットよりも混乱のほうが大きいからやらないよと
なんかだいぶ前にBTCの難易度調整アルゴに関する論文もありましたねぇ、確かにそうなんだろうけど、SHA-256dアルゴ圧倒的トップであるBTCには難易度調整アルゴの変更は不要なんだよね、混乱のほうが大きいから
難易度先物、難易度というマイニングの根幹に関わる話なのでマイニングの話をし続けるはめになっている